子どもが生まれてから、何十冊と教育についての本を読みました。
その中でこの本が一番、根拠が明確に書かれていて、とても面白く参考になりました。
上の子が生まれた翌年の2015年に出版された本ですが、もう何度も読み返しています。
もはや、わが家のバイブル!!絶対読んでおきたい一冊です。
後半には、日本の教育政策の問題も書かれていて最後まで読んで欲しい本です。
この本の教育に役立つ内容
この本には、育児をしている人が知りたいことが、きちんと研究結果や論文をもとにして答えが書かれています。
また、教育に関する情報は「相関関係」と「因果関係」があいまいに扱われ、間違った情報の可能性があることが述べられています。
因果関係が明らかとなっている事実のみ書かれています。
たとえば、「本を読む子は学力が高い」と言われていますが、相関関係だそうです。
学力の高い子が読書をしている可能性、親が教育に関心が高い家ではよく本を買い与えている可能性が指摘されています。
日々の教育に参考になる点をまとめてみました
- ご褒美は「宿題をしたら」等のインプットに与えると効果的
- ほめて育てる?ほめ方によっては逆効果 努力した過程を褒める
- ゲームやテレビは1時間程度なら勉強に影響なし
- 勉強をさせるには関わる(見守る、時間を決めて守らせる、確認するなど)
- 学力が高いという結果によって自尊心が高くなる
- 習熟度別学級は学力向上に効果的
- 教育の最も効果が高いのは就学前(入学前)※ただし、非認知知力を高める
非認知能力を高める方法
幼児期の教育が最も効果が高いと言われていますが、いわゆるお勉強ではありません。
幼児期に、非認知能力を高めることの重要性と書かれています。
非認知能力とは、「自制心」、「やりぬく力」、「協調性」、「社会性」のことを指します。
どうすれば高められるの?
✔自分のもともとの能力は、努力によって後天的に伸ばすことができる
ということを定期的に子供に伝える
✔きちんとしつけをする
うそをつかない、他人に親切にする、ルールをまもる、勉強をすることをしつけられた人は、そうでない人に比べて86万円ほど年収が高かったそうです。
また、夏休みの宿題を最後の方にやった人ほど、飲酒、喫煙、ギャンブル、借金、太っているなどの傾向が高いそうです。
筆者がもっとも主張したかったこと
恐らく、子供を持つ親のほとんどが、教育の仕方が書かれた前半の部分について興味があると思います。
ただ、本当に筆者が言いたかったことは、後半に書かれていると思います。
- 日本には、相関関係、因果関係があいまいに扱われた教育論・情報が多いこと
- 教育に関する研究が少ないこと・環境が整っていないこと
- 科学的根拠をもとに政策が実行されていないこと
目的が先行し、意味をなさない教育政策が実施されていることを問題視されていました。
私の感想
わが家は、娘にそろばんをやらせていて、宿題をさせることやつまづいたときに、悩んだ時にこの本を読み返しています。
おやつで釣って宿題をさせたり、そろばんの検定の時は毎日がんばって宿題をやったという部分をほめるようにしています。
わが家のバイブルです。
また、幼児教育への投資が一番効果的ということだけが独り歩きして、習い事と捉えられがちですが、重要なのは日々のしつけややりぬくことを教えることです。
また、これの本を読めば、幼児教育無償化がとても悪い政策だということがわかります。
幼児教育への投資の重要性は、アメリカで低所得層の3-4才の子供を対象に2年間実施して効果のあった ペリー幼稚園プログラムが元ですが、
日本の幼児の就園率は、保育園・幼稚園合わせて90%を超えており、アメリカと状況が異なるため効果は薄いのではないかと思いました。
10月から幼児教育無償化が始まり、高所得層ほど得をする政策です。
教育格差が広がる傾向に働くと考えています。
今回、紹介した内容のほかにも色々と参考になることが書いてあるので、読んでみてください。
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